秋になると鮮やかな橙色の実をつける柿。しかし、いざ食べてみると「甘柿ではなく、渋柿だった!」なんて経験はありませんか?
今回は、そんなときに役立つ柿の渋抜きの方法や渋柿の種類について紹介します。渋くて食べられない柿も、上手に渋抜きすれば美味しく食べられるので、ぜひ参考にしてくださいね◎
柿の渋みの原因
柿の渋みの原因は”タンニン”という成分で、紅茶やワイン、緑茶などにも含まれています。実はタンニンは渋柿だけではなく、甘柿にも含まれているんです。
しかし、渋柿と甘柿に含まれるタンニンの性質には違いがあり、渋柿に含まれるタンニンは水溶性のため口に入れると唾液に溶け渋みを感じますが、甘柿に含まれるタンニンは不溶性のため、唾液に溶けず渋みを感じないんです。
渋柿を生で食べたいときは、渋抜きすることで美味しく食べられるようになります。渋抜きとは、水溶性のタンニンを不溶性に変化させる作業のことで、アルコールを使う方法が最も一般的です。
実は糖度の高さでいうと、甘柿よりも渋柿の方が遥かに糖度が高く、強い甘みを感じられるんです。上手に渋抜きすれば、渋柿も甘柿に負けず劣らず美味しく食べることができますよ◎
自宅で簡単に柿を渋抜きする方法
ここからは、自宅で簡単に柿を渋抜きする方法を紹介します。
焼酎(アルコール)を使う方法
- 渋柿をキッチンペーパーなどで軽く拭いておく
- 渋柿1個に対して大さじ3程度の焼酎をボウルに入れ、ヘタを下にした状態で渋柿をサッとくぐらせる(焼酎がない場合はアルコール度数が30度以上のアルコールで代用可)
- ビニール袋に入れて口を閉じ、1週間〜2週間ほどおく
☑︎Point 渋柿の大きさが小さめのものは1週間、大きいものは2週間が目安!
冷凍する方法
- 渋柿を洗って皮を剥く
- 食べやすい大きさにカットする(丸ごとでも可)
- ラップに包み3日ほど冷凍庫に入れる
☑︎Point 冷蔵庫に移して24時間ほどゆっくり時間をかけて解凍するとgood!
渋柿の種類
ひとくちに渋柿といっても、種類がいくつかあります。あらかじめ渋柿の種類をおさえておくと、間違えて購入してしまうのを防げますし、逆に渋柿が欲しいときにスムーズに見つけることができますよ◎
完全渋柿
完全渋柿とは、渋柿の中で種が入っても甘くならず、渋いままの柿のことを指します。そのままでは渋みが強くて食べられないので、渋抜きするか、干し柿などに加工して食べられています。
蜂屋柿
岐阜県美濃加茂市蜂屋町で古くから栽培されている品種です。名前の由来は、蜂屋町の特産品なので「蜂屋柿」と名づけられてたといわれています。主にあんぽ柿に用いられることが多く、旬は10〜12月です。
西条柿
西条柿の特徴は、柿の表面に4本の溝が入った縦長の形と、糖度が通常の柿よりも高いことです。主に干し柿に用いられています。収穫時期は10月初旬〜11月上旬です。
天王柿
渋柿の中でも最も渋み成分が強い品種で、食用というよりも渋柿の原料に用いられることが多い品種です。柔らかく完熟した状態でも渋みが残るので生食用には不向きといわれています。
昨年の柿の人気ランキング
※2023年10月~12月のデータ不完全渋柿
不完全渋柿とは、渋柿の中で種が入ると種の周辺だけ渋みが抜ける柿のことを指します。渋抜きしやすく、日持ちも良いため広く流通しています。
身不知柿(みしらずがき)
身不知柿は、福島県の会津付近で古くから栽培されている品種です。甘すぎず、ねっとりとした食感が特徴の柿で、主に10月下旬〜11月下旬に出回ります。
平核無柿(ひらたねなしがき)
平核無柿は、もともと種がない品種で収穫時期は10中旬〜11月中旬、食べ頃は10月下旬〜12月初旬です。甘みが強く、果肉が柔らかくてジューシーな味わいが特徴です。
渋抜きした柿を楽しむアレンジレシピ
ここからは、渋抜きして甘くなった柿を存分に楽しめるアレンジレシピを紹介します。
さつまいもと柿のサラダ
材料
- 柿 1個
- さつまいも 1/2本
- ◎プレーンヨーグルト 大さじ2
- ◎マヨネーズ 大さじ1/2
- ◎レモン汁 小さじ1
- ◎メープルシロップ(蜂蜜) 小さじ1
- ◎塩 少々
- レーズン 大さじ1/2
- 胡桃(ナッツ) 大さじ1/2
作り方
- 柿とさつまいもは1.5cmの角切りにする
- さつまいもは水にさらして600wで3分加熱する
- 柿とさつまいもを◎で和える
柿トースト
材料
- 柿 1/2 個
- 食パン 1枚
- バター 適量(お好みで)
- シナモン・蜂蜜 適量
作り方
- 食パンにバターを塗ってスライスした柿を乗せる
- トースターで3〜4分焼く
- お好みでシナモンや蜂蜜をかける
柿ドレッシング
材料
作り方
- 柿の皮をむいてボウルに入れて潰す
- 残りの材料を①に入れて混ぜ合わせる
上手に渋抜きして柿を美味しく食べよう!
渋柿は簡単に渋抜きをして甘くすることができます。渋抜きをして甘くなった柿は生でそのまま食べるのはもちろん、様々なアレンジ料理にも活用でき、飽きずに美味しく食べられます。甘柿と渋抜きした渋柿を食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね!今年の秋は、ぜひ自宅で柿の渋抜きに挑戦してみてください◎
また、この記事で紹介したように、渋みの抜けた渋柿は甘柿よりも糖度が高く、強い甘みがあります。日本一のフルーツ王国と呼ばれる山梨県では、地元で採れた大きくて糖度抜群な渋柿を使った干し柿「枯露(ころ)柿」を生産しています。硫黄燻蒸を施し、丹精込めて作られた枯露柿は、コクのある甘みとしっとりとした食感で特産品として人気があります。ご近所さんへのちょっとした贈り物に、お呼ばれされた際の手土産に、喜ばれること間違いなしの一品です。気になる人は、ぜひJAフルーツ山梨の公式ホームページをチェックしてくださいね!